一文で簡潔に言うと、Next.jsはNode.jsという実行環境の上で動作するWebアプリケーションフレームワークです。
1. Node.jsとは?
Node.jsは、Google ChromeのJavaScriptエンジンであるV8を基盤にした、JavaScriptのサーバーサイド実行環境です。
それまでJavaScriptは主にブラウザでしか動作しませんでしたが、Node.jsの登場により、サーバー側でもJavaScriptを使ってプログラムを開発できるようになりました。これにより、以下のようなことが可能になりました。
- Webサーバーの構築
- データベースとの連携
- ファイルシステムの操作
- 外部APIとの通信
Node.jsは、JavaScriptの汎用的な実行環境として、Webアプリケーションのバックエンド開発だけでなく、CLIツールやデスクトップアプリケーション開発など、幅広い用途で利用されています。
2. Next.jsとは?
Next.jsは、Facebook(現Meta)が開発したJavaScriptライブラリであるReactをベースにしたWebアプリケーションフレームワークです。Webアプリケーション開発に特化しており、開発者が効率的に高機能なアプリケーションを構築できるように、様々な機能や規約を提供しています。
Next.jsの主な機能には、サーバーサイドレンダリング(SSR)や静的サイト生成(SSG)、ファイルシステムベースのルーティング、API Routesなどがあります。
3. Next.jsとNode.jsの関係性
ここからが本題です。Next.jsは、このNode.jsという実行環境がなければ動作しません。
- Next.jsはNode.jsに依存しています: Next.jsをインストールして利用するには、まずお使いの環境にNode.jsがインストールされている必要があります。Next.jsの起動やビルド、開発サーバーの実行などは、すべてNode.js上で行われます。
- Next.jsはNode.jsの機能を活用しています: Next.jsの最も特徴的な機能であるSSRやSSGは、Node.jsがサーバーサイドでJavaScriptを実行できる能力を利用して実現されています。
- SSR: ユーザーからのリクエストがあった際、Node.js環境でReactコンポーネントをレンダリングし、完成したHTMLをクライアントに返します。
- SSG: アプリケーションをビルドする際、Node.js環境でページコンポーネントをレンダリングし、静的なHTMLファイルとして出力します。
- API Routes: Next.jsでバックエンドAPIを作成する場合、そのコードはNode.jsのコードとしてサーバーサイドで実行されます。
4. まとめ
Node.jsは、JavaScriptをブラウザの外、特にサーバーサイドで実行するための**「土台」「基盤」**です。
それに対してNext.jsは、その**Node.jsという土台の上で、Reactを使ったWebアプリケーションを効率的に、そしてモダンな手法(SSR, SSGなど)で開発するための「フレームワーク」**です。ビルド設定、ルーティング、コード分割など、Web開発で必要となる多くの面倒な設定や最適化をNext.jsが肩代わりしてくれます。
したがって、Next.jsとNode.jsは競合するものではなく、Next.jsがNode.jsの機能を活用して成り立っている、共存関係にある技術です。Node.jsがなければNext.jsは動きません。Next.jsは、Node.jsの能力を最大限に引き出し、Web開発をより簡単で効率的なものにするためのツールと言えます。
この関係性を理解することで、Next.jsがどのように動作しているのか、なぜNode.jsが必要なのかが明確になるかと思います。